大阪で転職希望者が増加、理由は「正社員に」「さらに良い待遇で」
大阪労働局によると、大阪府内で4月より求職活動を始めた人の中で、離職者や失業中の人が減少したことがわかりました。
その一方で、現在仕事についていながら職探しをしている人が前年よりも増加しています。なぜ退職予定しているかと聞くと「正社員になりたい」「さらに待遇の良い仕事につきたい」と考えているためで、その割合は多くなっています。具体的な数字で比較してみると、4月の大阪の新規求職者数は53,363人。前年同月の数字よりも6.5%減っています。内訳を見ても、会社都合や自己都合での退職者と無業者の割合は減っており、在職者は4%増加しています。
在職者の退職予定理由として、「正社員希望」や「より良い待遇への転職希望」をあげている人の割合も多くなっています。パートやアルバイトについても同様の傾向があり、仕事休みが多い土日祝日にも利用できるハローワーク梅田に訪れる人も増えています。
「35歳限界説」崩れ、ミドル層・キャリア女性求められる
これまで、転職をするには35歳をすぎると難しいという「35歳限界説」がささやかれていました。
しかし、現在転職市場ではその定説が崩れ始めています。転職支援会社が増加しただけではなく、ミドル層を求める情報を出す企業も増えているのが現状です。これは成長過程にある企業が、仕組みを回せる人材を求めて採用しているもの。
具体的に業種別でミドル層の求人増加が見込まれるかを見てみると、メーカー・建設不動産・ITインターネットが上位を占めていました。人材サービス会社「エン・ジャパン」に登録している35歳以上の割合は、14年1~2月と前年同期を比べると20%上がっているデータがあります。
また、国の政策に合わせて女性管理職の比率を高めるための動きもあります。現在女性で管理職を目指す方のための転職サイト「ビズリーチ」では、1,900社の人事担当者が登録者の情報を検索・閲覧しスカウトメールを送る仕組みがとられています。
経験を活かせるのは同業界とは限らない
経験を活かした転職を行う場合、同業界内で求人を探すほうが、今まで培ってきた経験やノウハウを活かしやすいのは言うまでもありません。とはいえ、同業界内でしか経験を活かした転職ができないとは限りません。
例えば、WEBデザイン会社で働く場合は、クリエイティブな能力よりも、専門性の高い業界で働いてきた経験が重宝されるケースもあります。これは、業界に精通している人のほうが、クライアントのニーズを的確に把握できるためです。
同じ理由で、医療器具や医療機器を作るメーカーへ転職する場合も、医療業界に携わってた人が優遇されるケースもあります。どの業界で働いてきたとしても、自身の経験を活かした転職を成功させるためには、「自分の経験がどこの職場で活かせるか」ということを適格に見出すことも重要となるのです。
景気回復もミドル層登用の後押しに
企業では、新年度に向けて採用活動が活発になっています。厚生労働省発表の4月の有効求人倍率も1.08倍で、これは17か月連続で改善されています。前向きに新しい職を探す人が増えており、意欲を示して活動する転職希望者が多くなってきています。
しかし、ミドル層であれば誰でもOKというわけではありません。それまでの仕事で培った人脈を新しい職で生かせるかが問われます。もしくは、若い社員に対する指導力も求められています。結局、転職の際には即戦力が求められ、専門性が高く人脈を持っていることが必要になるためミドル層も同じく厳しい状況にあるといえるでしょう。